犬・猫との暮らしと地球温暖化~Pawprintを一緒に考えよう~」の記事では、気候変動問題について考えるにあたって、特にお肉メインの食事を犬に与えることが課題になるということをお話ししました。「そうは言っても、お肉をあげないとダメなんじゃないか?」という疑問はどうしても湧いてきます。ですが、犬が人間と共に遂げてきた進化の道のりをたどると、「絶対お肉じゃなくても大丈夫なのかな?」と視点が広がるヒントが見えてきます。この記事では、犬が人間との生活で遂げた進化と、そこから見えてくるライフスタイルの可能性についてお話ししたいと思います。

犬と人間との長い付き合い:狼から狩猟のパートナーへ

まずは、犬と人との出会いまでさかのぼってみましょう。犬の祖先である狼と人間はいつ出会い、狼はいつ「犬になった」のか。出会いは恐らく3万年ほど前のヨーロッパだったのではないか、など様々な説がありますが、犬と人間との縁は「万年単位」の大昔にさかのぼります。2017年には、サウジアラビア北西部にある遺跡から犬と共に狩りを行う人間の姿を描いた岩絵が発見されました。紀元前7~8世紀に描かれたであろうとされるこの岩絵からは、人が犬と共に高度な戦略を用いた狩猟をしており、犬がすでに大切な狩猟のパートナーとして管理されていた可能性があることが分かったそうです。(National GeographicJournal of Anthropological Archaeology

犬と狼は違う生き物:人との暮らしで変化した犬の食生活

何万年も前に始まった人間との生活の中で、犬は人間が食べる物を食べられるように進化していきました。犬にとって最も自然・理想的な食事として、狼の食事(wolf diet)、バーフダイエット(BARF:生肉を中心とするローフード)という言葉を見ることが多くありますが、実は犬は私たちが思う以上に狼とは違う動物です。

その大きな違いの一つが、犬が持つ穀類を消化することができる能力。狼は持たないこの消化能力は、農耕を行う人類と共に暮らす中で獲得されていったと考えられています。つまり、犬は大昔から雑食で、お肉が中心の食事が必ずしも絶対ではないということが分かります。

私たちの気持ちは犬に筒抜け?人間の感情を理解するよう進化した犬

少し話題がそれますが、人間との生活で犬が遂げた進化は、消化能力だけではありません。新型コロナウイルスの蔓延にともなうステイホームという状況の中、犬を始めペットを家族に迎える人が増えました。2020年に海外でペットと暮らしている人を対象に行われた調査では、約90%の人が「ペットが精神的な支えになっている」と回答しています。(National geographic) 犬が自分の気持ちに寄り添ってくれているな、と感じる場面は日常生活の中に多くあると思いますが、犬の脳は人間の感情を理解できるように進化したということが研究により分かっています。(Plos One)また、別の研究では、怒った顔・ストレスを感じている顔をした人の写真を見せられると、犬がストレスを感じるということが分かったそうです。(Learning and Behavior

プラントベースから昆虫まで!?多様化するワンちゃんのグルメ事情

日本ではまだなかなか見かけませんが、欧米では肉がメインではないフードがすでに登場しています。プラントベースのヴィーガンフードや、昆虫プロテイン(!)を使用したものまで、実にバラエティ豊かです。また、肉や魚だけでなく豆類をたんぱく質源として使う、肉・魚を使わないヴィーガンレシピの日を設けるなど、レシピの幅を広げて手作り食を楽しむ人もいます。犬は(もちろん避けるべき食材はありますが)、私たちが思う以上に種類豊富な食材を健康的に楽しむことができる。そう考えると、ちょっとワクワクしてきませんか?

犬の食事と健康については、専門家のMikeから別の記事でまた詳しくお話しする予定です。お楽しみに!